ある日の出来事

一次医療

この1,2日で見た症例から学ぶこと。

生後1ヶ月、女児。2週間前に発熱し、それ以来不機嫌。発熱した時点でprimary care physician (PCP)が診ているが、タイレノールが処方されて経過観察。2週間後、背腰部のピンホールから膿が出てきて夜中ERへ。そこから我々の所へ搬送され、深夜2時に私が診た所、dermal sinusの感染は明らか。MRIを撮ってみると脳、脊髄のほとんどのスペースに膿瘍が観察され、かなり重症。早速、手術。
日本の国試だったか、USMLEだったか忘れたが、この手の典型的な問題は繰り返し出されていた。繰り返す髄膜炎患児に対する鑑別診断の一つとして、このdermal sinusはかなり重要。まとめはこれ

3歳男児。頭痛と手足のだるさのためPCP受診。ウイルス感染後だった事もあり、Guillain-Barreが疑われ、腰椎穿刺が施行されている。この時点で不思議なのが、脊髄のMRIは撮られているのだが、CTを含めて脳の写真は一切撮られていない。2日後、手足の麻痺と意識障害が進み、その時点でCTを撮ってみたらびっくり。巨大な脳腫瘍とそれに伴う重症水頭症。それから我々の所に搬送されたが、脳室ドレナージの準備を待っている間にも意識障害が進行し結局PICUで挿管という事に。術後はテレビを見て笑うまでになっていたが、これから本格的な脳腫瘍摘出の手術が待っている。
腰椎穿刺をやる時は、もちろん施行前に頭蓋内圧亢進が無いことを確かめなければならない。医者としては常識。腰椎穿刺時に、もしこの患児に脳ヘルニアが起こったら絶対負けるだろうなと思った症例。


改めてPCPの重要性を思い知らされた2例でした。そしてこのような事は日常茶飯事に起こっている事を改めて認識させられた気がしました。
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by ny402 | 2006-05-26 12:00 | medicine
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小児脳神経外科医が綴る日々雑感
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