ある日の出来事

2006年 06月 21日 ( 1 )

INR 4.0

前回の続きの前に、先週末のon-callの出来事から。

われわれ脳神経外科医が移植医療に関わる事は稀ですが、それでも年に数回あります。一般的に考えるとドナー側の脳死判定を想像させますが、小児施設で働いているためかそれはあまり多くありません。
今回はレシピエント側のケースでした。3歳男児、肝不全でencephalopathyを来たしてICP管理のためにモニターを留置しました。移植肝を待っていた最初の3日間はICPは正常に保たれていましたが、あと数時間という所でICPがスパイク的に上昇、CTで脳内出血が確認されました。その時点でINR1.7、出血自体は小さく、そのまま保存的に様子をみていましたが、時間が経つにつれてINRは上昇。幸運にも半日後に移植にこぎつけましたが、念のためCTを取ってみると出血は増悪して、脳室内に穿破しています。この時のINRは4.0。本来なら血腫除去、脳室ドレナージを置きたい所ですが、この値では手が出せません。幸い保存治療でその場はしのげましたが、移植は成功したが頭蓋内出血で命を落とすところでした。このcoagulopathyに悩まされる症例が年に2,3必ずあります。その度にPICUの医師の努力に頭が下がる思いです。。
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by ny402 | 2006-06-21 18:00 | medicine



小児脳神経外科医が綴る日々雑感
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