ある日の出来事

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人の量

全体的にみるとやはりアメリカの方が断然多い。何よりもparamedicalとして働く人が多いのがいいと思っています。今回は、質は不問にして、純粋に数の問題を取り上げてみます。
ARNP, RN, iv nurse
ARNPの本来の目的は色々あると思いますが、実際問題として医師不足を補うという目的が大きいと感じます。この制度は、やはりこれからの日本医療制度には必須ではないでしょうか。RNも多数います。私の知る限りの多くの病院では、dayかnightのどちらか12時間、週2-4日勤務という方法をとっています。受け持つ患者の数は2-3人といったところでしょうか。専門職という意味では、iv nurseの存在は欠かせません。採血、IV line, PICC lineの留置までやってくれます。彼らは職人意識が強く、結構よくやってくれるというのが私の印象です。他にもCRNPのように麻酔専門のnurseもいます。

CT/MR tech, PT/OT, RT, MSW, pediatric care codinater, nutrician, pharmacistなどなど。多くのparamedicalの人が働いています。しかも多くの場合、on-call制をとっていて、夜間、休日の労働も当然と思っているので気軽に頼むことが出来ます。

transporter, security, volunteer、telphone operator, 清掃する人々、などなど。この人たちがいないと病院は成り立たないでしょう。

結局、それぞれの職種の人が極力雑用を避け、本来の仕事をおこなうためにシステムが出来上がっているという感じです。医師の報酬は、医師としての専門家が行う専門的な仕事に対してのものである、という考え方です。そのため底辺が広い、結果として働く人が多いというシステムになっているのだと思います。

そしてdoctor
これは足りません。おそらくこの表現は間違っていて、全体的な人数は足りているのかもしれませんが、偏在のため大学、教育関連病院の医師の数は足りません。どの科の医師もつかれきっています。脳神経外科の世界は特殊かもしれませんが、少し触れてみたいと思います。publicな施設では財源不足のためattending physicianを雇えないところもあるようです。この問題に関しては、私立の方に分があるかもしれません。脳神経外科の正規のfellow, residentの数は学会により決められていますのでどの施設でも常にマンパワー不足です。これにはアメリカ特有のシステムが関係しています。private practiceの現場では、訴訟を恐れるあまり、少しでも問題になりそうな症例は大学病院などに送ってしまいます。救急病院であってもくも膜下出血症例などは送ってしまうところもあるようです。最終的に行き着くところとしての大学病院などの施設は常に患者があふれ、少数の、疲弊した脳神経外科医が対応しているのが実情でしょうか。これを解決する手段として取られている方法の一つが、正規外のfellowです。多くは外国からの留学生、residencyに入れなかった医師などによりまかなわれています。トロントもシアトルもこの方法を取っていました。

次回は質について触れてみたいと思っています。
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by ny402 | 2006-06-29 12:00 | medicine

INR 4.0

前回の続きの前に、先週末のon-callの出来事から。

われわれ脳神経外科医が移植医療に関わる事は稀ですが、それでも年に数回あります。一般的に考えるとドナー側の脳死判定を想像させますが、小児施設で働いているためかそれはあまり多くありません。
今回はレシピエント側のケースでした。3歳男児、肝不全でencephalopathyを来たしてICP管理のためにモニターを留置しました。移植肝を待っていた最初の3日間はICPは正常に保たれていましたが、あと数時間という所でICPがスパイク的に上昇、CTで脳内出血が確認されました。その時点でINR1.7、出血自体は小さく、そのまま保存的に様子をみていましたが、時間が経つにつれてINRは上昇。幸運にも半日後に移植にこぎつけましたが、念のためCTを取ってみると出血は増悪して、脳室内に穿破しています。この時のINRは4.0。本来なら血腫除去、脳室ドレナージを置きたい所ですが、この値では手が出せません。幸い保存治療でその場はしのげましたが、移植は成功したが頭蓋内出血で命を落とすところでした。このcoagulopathyに悩まされる症例が年に2,3必ずあります。その度にPICUの医師の努力に頭が下がる思いです。。
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by ny402 | 2006-06-21 18:00 | medicine

6月も中旬を過ぎました。という事は、fellowの生活も後残りわずかということです。そこで今後数回に分けて、pediatric neurosurgery fellowとしての個人的な経験や感想、日米の比較などを書いてみたいと思います。

まず始めに量を取り上げてみました。

症例数:圧倒的にアメリカの方が多い。2年とも、アメリカの中でも症例数の多い小児施設で働いた事もありかなりの数が経験できました。手術数で、おそらく700例/年くらいでしょうか。日本の中では一番多い施設でも年間250くらい、以前働いたことがあるこども病院では100くらいでしたから圧倒的な差です。外科医はやはりskillが売り物ですから、skillを獲得しようとしているtraining中の医師にとっては大きな差だと思います。Epsteinは、手術のskillは自転車に乗るようなもので一度獲得してしまえば忘れないといっています。つまり適切な時期にいい指導を受け、skillを獲得し、ある程度の量をこなすことが必要だと思います。そういう意味では、昨年のマイアミでの経験は大きな糧となっています。

次回は、人の量について、の予定です。
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by ny402 | 2006-06-16 15:00 | medicine

揺さぶられっ子

大隅先生のブログでshaken baby syndromeが話題になっていたので、気になって調べてみた。参考文献はこれこれ
乳幼児のshaken baby症候群の中で触れられているのは22例と少ないが、2番目の文献はSick Kidsを含むカナダ小児施設からのもので対象は364例。これらによるとshaken baby syndromeと診断された対象児の中にはabuse caseでないものも含まれるらしい。”高い、高い”をやっていて受傷する事もあるらしく、abuse caseは32%と記載されている。カナダ文献によるとperpetratorが確認されたのは66%であった。
以前にも書いたが、2歳以下でnon traumaic brain injury患児の場合、abuseを強く疑う事になる。
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by ny402 | 2006-06-07 19:00 | medicine

6月

6月ですね。残すところあと1ヶ月となり、何となくまとめに入っています。 今日はon-callなのですが、これから脳腫瘍の児がERに来る様です。なぜ、いつも時間外なのでしょうか?
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by ny402 | 2006-06-01 18:00 | daily life



小児脳神経外科医が綴る日々雑感
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