ある日の出来事

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母 泣く

成人医療が中心の一般市中病院でも、結構小児症例があることは先回紹介しました。最近担当した3例の手術適応症例で、病状説明中に母親が泣いてしまうことが連続してあったので今回はそんな話題を。

特に感動的な話をしている訳でもないし、もちろん怒ったりしている訳でもないのですが患児の母親が泣き始めます。病棟で説明していたので、いつの間にか周りは黒山の人だかり。何だか、悪者は私だけ、って感じ。
この患児たちに共通しているのは、病歴が長い、いわゆる慢性的な疾患であるという事。これまで接した医療者もそれなりの対応をしてきたとは思いますが、病気が慢性化するに従い差し障りのない対応になっていった事は否めません。誰も手術など勧めませんでした。そんな折、この子の20年後のために、などといって手術を勧めたので家族は大変です。

小児脳神経外科医療に対してだけはそれなりに自信がありますから、いつもセカンドオピニオンを聞きに行ってもいいし、他病院で手術してもいいですよとお話しますが、今回の家族は、先生に手術をお願いしますと言ってくれました。その内の1例が昨日手術を終え、手術目的は完了しました。後はこの子がどう育っていくのかを見守るのが楽しみです。
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by ny402 | 2006-12-21 07:53 | medicine

2面性

当然のことですが、医療には色々な側面があります。急性疾患も慢性疾患も扱う脳神経外科はその意味では面白いといえるでしょう。

現時点での差し迫った生命危機を脱しなければ、明日どころか次の1時間後の計画など意味をなさない、といった急性期患者を診る一方で、機能予後を最重要に考慮しなければならない臨床的良性疾患患者もいます。小児の場合でも外傷や脳腫瘍の患児たちは前者かもしれません。一方で20年後のこの子のために、今やらなければならない事を親御さんに説明し、説得する事もあります。この事は小児医療の特徴的な一面であり、それぞれの疾患の全体像を熟知し、患児が進むべき方向を知らなければ出来ない、と考える週末です。
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by ny402 | 2006-12-10 14:08 | medicine

症例

今は市立の総合病院に勤めているのですが、結構小児症例があることに気がつきます。もちろんこども病院ほどにあるわけではないのですが、働き始めてから約1ヶ月の間に5,6例コンサルトがありました。今日も一例相談がありました。一般病院でもこれらの症例は治療可能だと思いますが、やはりいくつかの問題点に突き当たります。

1 少し専門的な検査などになると、この病院ではやったことがないといわれる。
2 他の医師はほとんど小児など見たことがない。更に看護師も不慣れである。
3 複数科がかかわる児になると、もっと旨くいかない。
4 薬がない

医療側の不慣れで検査に時間がかかる、あるいはまったく出来ない。そうするとデータが揃わず治療方針が決まらない。決まったとしていざ手術と思っても、器械が無かったり、モニタリングができず結局自分の所では治療できない、という事になります。こうなるとやはり専門施設に紹介した方が、医療側も家族も、そして何より児もストレスを感じなくて良いという事になるのかもしれません。
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by ny402 | 2006-12-07 21:00 | medicine



小児脳神経外科医が綴る日々雑感
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