ある日の出来事

謹賀新年

明けましておめでとうございます。
本年が皆様にとりまして よい年でありますよう心よりお祈り申し上げます。

こちらでは通常、12月31日まで働いて元日だけ休み、また2日から何事もなかったように働き始めます。年末年始と言えども普通の月代わり程度の意識しかありません。でも今年はめぐり合わせがよく31日が土曜、1日が祝日日曜のため2日まで休みのロングウイークエンドとなりました。しかも個人的にはon-callが全く入らなかったため比較的ゆっくり出来ました。この間に頭と身体をリフレッシュして、また走りつづける準備をしなければなりません。皆さんはどのような一年の計をお立てになったでしょうか?
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# by ny402 | 2006-01-02 11:02 | daily life

foster parents

先日のクリニックでの話。
3歳の黒人の男の子が母親に連れられて来院。でもどう見てもbiological motherではなさそう。アナムネと以前の記録から、この母親はfoster motherと判明。しかもよく聞くとこの夫婦には子供が9人いるらしい。biological relationshipのある子供は3人、他の6人はadaptedあるいはfosterの関係にあるとの事。この国のdiversityのひとつと言うところか。

でもなぜ6人もか、それはこの6人の子供たちには何らかの病気があり、そうなるとやはりアメリカといえども引き取り手は極端に少なくなる。来院した男の子も糖尿病のためインスリン注射を行わなければならず、foster parentsにはかなりの精神的負担が掛かる事になり、結局何人にも断られた末このfoster parentsに決まったとの事。色々な家族形態があるものだとまたまた感心すると共に、このfoster parentsに2どころか3 thumbs upを送った日であった。
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# by ny402 | 2005-12-30 12:34 | medicine

inconsistency

前から疑問に思っている事のひとつ。例えば、

マイアミでは、患者の体温は103度、外の気温も103度。
シアトルでは、患者の体温は39度、外の気温も39度。
生れた時は3Kg、50cmだったが今は150lb、5ft11in。
点滴は20ml/hrだけれどもミルクは20oz飲んでいい。
中心溝は冠状縫合から4cm後ろにあり、あの本屋さんは病院の後ろ4mileの所ににある、などなど。

レーガン大統領時代にSI単位を使用する条約に批准したと思ったけど、まだ平気で使っている。と言うか科学とは縁がない人々はSI単位なんて知らない。
因みになぞなぞみたいな上の表記、
マイアミでは、患者の体温は華氏103度、外の気温も華氏103度
シアトルでは、患者の体温は摂氏39度、外の気温も華氏39度
と言う事で、華氏103度は摂氏39.4度だからマイアミでもシアトルでも患者は熱がある事には変わりない。
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# by ny402 | 2005-12-23 10:50 | daily life

何時の間にか

もう12月です。先週末はon-callだったのですが、病棟とERに呼ばれ続け、週末だというのに朝っぱらから深夜まで働く羽目になってしまいました。日曜の深夜2時にシャント不全疑いを診て今回のon-callは終了しました。
結局今回はシャント感染1例とシャント不全1例を手術しましたが、3歳のシャント不全の患児は日曜の朝いつもより長い睡眠から目覚め、気分がすぐれずこれはシャント不全だから病院に連れて行けと親に頼んだそうです。着てみると傾眠傾向、心拍数50くらいの徐脈、少し高血圧。CTはスリット状で脳室は変化ありませんでしたが、明らかに臨床症状は頭蓋内圧亢進を示している。一応シャントタップしてみましたが、spontaneous flowなし。その児に言ってあげました。”君は偉い!!!”。結局、ERからORへ直接運ばれ、壊れたバルブを交換して一件落着。手術翌日の今日にはもう元気を取り戻し、家へ帰っていきました。on-callとはいえ好き好んで日曜の夕方に仕事をしたくないと言うのが本音だと思いますが、手術のために集まった脳神経外科、麻酔科、ORやCTのスタッフが手術が終わって異口同音に言いました。
"We saved a child's life."
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# by ny402 | 2005-12-06 11:37 | medicine

家族事情

医療を通してみる家族関係、親子関係は、洋の東西を問わず同じような物だと感ずる事がある。両親ともいつも付き添っている家族、その正反対いつ行っても親の顔など決して見ることの無い患児、離婚した親がそれぞれの新しいパートナーを連れて付き添っていいる風景、色々である。そんな中に、アメリカでは普通に見ることが出来る家族形態のひとつとしてadoptationがある。そう言えば、NYにいる時の息子の一番の友達はchinaから来た女の子だったし、白人の夫婦が黒人の子供を連れている風景も何度も見た。

今看ている患児の中に、最近adoptationされて来た7歳のChineseの女の子がいる。先週手術を試行したが、スムースにはいかず少してこずっている。両親は一生懸命看病にあたっているが、患児はまだ英語をあまり理解できない。どこが痛いのか、どれくらい痛いのか、痛みを聞き出すのにも一苦労である。親は、身振り手振り、絵入りのカードを使ってコミュニケーションをはかっているが患児の具合が芳しくない事もあって、昨日はついに通訳を呼んだ。親子間のコミュニケーションに通訳がいるのは普段見られない風景だけれども、それでもその両親は昼夜を問わずいつも患児に声を掛け、看病に励んでいる。アメリカに見るdiversityのひとつである。
子供との会話は早朝の"Have a nice day"だけの我が家よりよっぽど良いかもしれない。
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# by ny402 | 2005-11-22 12:37 | medicine

PALS

久しぶりの更新となりました。2週間に一度ウィークエンドのon-callがあるので、その間の休みのウィークエンドには体を休めてなどと考えていると、更新が滞ってしまいます。

先週のウィークエンドは休みだったのですが、PALSの講習会に行ってきました。1年以上も小児病院に勤めているのに、実はまだPALSを取っていなかったのです。晴れてPALS Providerとなりました。講習会は2日間、朝から夕方までありなかなか楽しいものでした。運よくSimuBabyというシュミレーション用のベビーで実習も出来ました。これはPALS実習用に作られたもので、挿管、心マ、点滴、胸腔穿刺などの練習が出来、その効果、効率はコンピュータを通じてモニター上で観察することが出来ます。なんとなくゲーム感覚となってしまうのは否めませんが、おもちゃの人形よりいいかもしれません。一体3万ドルとかいっていました。
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# by ny402 | 2005-11-13 04:26 | medicine

helloween

昨日まででsummer time/day saving timeが終わり、今日はhelloween。子供達にとっては楽しみな日で、好みのコスチュームを着て"Trick or Treet"といって各家を廻ってキャンディーをもらって来る。病院には、ひげを生やししっぽがくるくるっとなった猫になっているナースがいると思えば、羽が生えた妖精の格好をしている人もいる。アメリカならではの文化といった所か。大人も浮かれる日なのは確かなのだが、全ての人、場所がそうという訳ではない。
昔勤めていたMSKCCでの出来事。ボスの秘書がハロウイーンの日に、髪の毛の一部を緑に染めてきた。もう10年も昔の事なのだけれど、その当時でも髪の毛の一部くらい真っ赤の人や緑の人など街中にあふれていた。しかしその秘書は翌日解雇された。理由はMSKCCのプロフェッショナリズムに相応しくない、という事。アメリカの意外な部分を目にした思いだった。

そんなハロウイーンを控えた週末、何をしていたかと言うとこれがまたon-call。そんなに忙しくはなかったのだけれど、結局土曜日は朝から夜中まで、日曜は朝から夕方まで病院で過ごす事に。極めつけは日曜の深夜2時、血友病の患児が急性硬膜下血腫となりモンタナから搬送されて来た。現地の脳神経外科医が手術適応ありと判断したため、飛行機で2時間も掛かる場所から搬送されてきたのだけれども、結局着てみると患児は元気で、手術しなくてもよさそう。患児が手術しなくてもすむのは嬉しい事だけれども、夜中の2時から働いている身にとっては疲れる。ハリーポッターに扮した息子が言うに違いない。"Daddy, I don't wanna become a neurosurgeon"
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# by ny402 | 2005-11-01 11:28 | daily life

臨床判断

この判断力を養うために何年も研修し、勉強しているわけだけれども、これがはっきり言って難しい。科学的根拠、臨床的エビデンス、社会的背景、コストパホーマンスなどなど、いろいろな事を考えて判断しなければならない。
我々の例でいえば、椅子から落ちて頭を打った子供のCTを撮るかどうかとか、頭痛を訴える子供に更に検査を追加するかどうかとか、いつ手術をするかとかどのアプローチを使うかとか、枚挙に暇がない。
リスクマンジメントという観点に立つと、decision making treeがありプロトコールが決まっている事が望ましい。1日目のレジデントであろうと30年目の医師であろうと同じ判断をする事になる。極端な例としては、椅子から落ちて頭を打った子供を救急外来で見たとき、一律にCTを撮るという方法である(落ちた高さが10cmであっても100cmであっても、落ちた所がコンクリートの上であっても芝生の上であっても)。これはアメリカ的な考え方というべきか?
これに対し、もう一つの方法はcase by caseで決定する方法である。ヒストリーを取り、身体所見、神経学的所見をとって自分の知識と経験を元に総合的に判断し、CTを撮るかどうかを決定する。これが本来あるべき姿だと思う。優れた臨床医やmentor達がそうやっているのを見たし、業、アートとしての医療技術はこう伝承されるべきだと思う。しかしコストや訴訟などの観点からそうも言っていられないのも事実である。
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# by ny402 | 2005-10-25 09:59 | medicine

視力回復

先週末に紹介されてきた患児。1年位前から頭痛が時々あり、先月中旬には左眼はほとんど見えなくなっていたらしい。そこで眼科に行ったのだが、原因不明といわれたと家族はいう。視力低下は眼疾患だけではなく、頭蓋内疾患でも起こることぐらい眼科医なら知っているはずだけれども、CTも撮られる事無く経過。このような類の症例が多いような気がするのは気のせいか?
結局頭痛のため小児科を訪れ、CTで脳腫瘍が見つかって紹介されてきた。入院時には左眼の視力は20/800, ブラインド状態。月曜日に手術が行われ、(この手術法に文句があるのだけれど、これはまた後日)翌日には20/30まで回復。とりあえず機能回復ということで良かった、良かった。
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# by ny402 | 2005-10-20 12:51 | medicine

on callのまとめ

前回書いたように、先週の金曜日からon callをやっていました。前半は手術もなく平和に過ぎたのですが、木曜 金曜と合計で7つ手術をしたので土曜日には13人くらい患児が入院していました。そのため金曜の夜から日曜の朝にかけてbeeperがなりっぱなしという状態、100回くらいなったんじゃないかな、という感じ。内訳は、患児一人に尽き最低でも4回くらいはなる。これで13x4=52回。患児の家族からの問い合わせが10件くらい、コンサルトのお願いなどが10件くらい、ERからが20回くらい。特別トラブルなど起こりませんでしたし、緊急手術もなかったので良かった、良かった。
病院によってシステムの違いがあうようで、ここの病院は、日本のように脳外の患者は脳外科医が診ます。マイアミでは、小児科のレジデントが外科系の患児にも係わるようなシステムだったため、術後の患児であっても熱が出たとか、頭が痛いなどのコールは小児科レジデントが対応していました。そのため、我々はその類のコールからは逃れる事が出来ましたが、ここではそれらが全てon callに掛かって来ます。まずこれに対応するだけで大変。しかも個人的な感想としては、ここでは些細な事でも気軽にコールするようである。そのためか的外れなコールも結構掛かってくる。大げさにいえば、泣いていた患児が笑った、といった類のコールが時々掛かってくる。そんな事を書いていたら、またコールが。チャートに書いてある字が読めない、って、それは私が書いた字じゃないんですけど。字体が違っているんだから、少し考えれば分かるでしょ。
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# by ny402 | 2005-10-17 10:43 | medicine



小児脳神経外科医が綴る日々雑感
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